外貨準備は巨大な利権

外貨準備は巨大な利権

1兆ドルを超える外貨準備が維持さ1兆ごを超える外貨準備が維持され続けていることには、もう1つ重大な問題がある。それが利権の温床になりかねないといケ点だ。前述したとおり、外貨準備の大半を占める米国債は、5年でその7割が償還期を迎え、その都度、買い換える、といケ商行為が行われている。

 

これに伴う金融機関の取引収入は一体いくらになるだろうか。ざっくりいえば5年の間に70兆円もの巨額の米国債購入に伴ケ利ざや(手数料相当)が発生するのだ。仮に低く見積もって0.01%(1ベーシス回)の利ざやとしても70億円だ。これだけ巨額の取引なので、それ以上の利ざやかもしれず、いずれにしても巨額の利益が金融機関に転がり込んでくる。外貨準備の運用に伴ラ米国債購入がどのように行われているかは。国家秘密として公開されていないが、内外の金融機関に委託されている。それが利権構造や官民の癒着構造となっている可能性は否定できない。

 

運用成績の面から見ても、外貨準備の存在意義は低い。外国為替特別会計のバランスシートは15兆3000億円の債務超過になっている。財テクファンドなら回遅いなぐ倒産だ。そもそも政府の介入自体に円高を阻止する効果はない、と筆者は考えている。為替相場を決める主な要因は、金利差と相対的な通貨量だ。この基本は「マネタリーアプローチ」といわれる標準的な国際金融理論だ。

 

具体的に説明すると、持っている円か増えると、よI有利な金融資産を持とうとする動機が働き、金利の高い通貨に換えようとする。もし大量の円かあり、その時に円よりドルの金利が高ければ、円を売ってドルを買う行為が促され、ドル高・円安になる。つまりドル・円レートはそれぞれの通貨量と金利で決まり、相対的に通貨量が多いほど安くなり、通貨量が少ないほど高くなるのだ。

 

03〜04年の巨額介入の時にも同じことが起こった。当時、日本政府は約40兆円に及ぶ巨額のドル買い介入を行った。これで円安になった、と一般的には認識されているが、そうではない。この時の円安も通貨量の増大によって促されたのだ。

 

政府は介入資金を調達するため、40兆円にのぼる政府短期証券を発行した。これが市場に放出されると金利上昇要因になるので、ゼロ金利を維持したい日銀は、政府短期証券を吸収せざるを得ず、実際に半分程度の政府短期証券を吸収しそのために大量の通貨が刷られたのだ。これが巨額介入による円安のからくりだ。介入で為替相場が動ぐケースもあるが、その効果はせいぜいI、2ヵ月だ。現に昨年9月に2兆1000億円、震災後に7000億円の介入を行ったが円高基調は続いている。

 

介入の効果がないなら、そもそも外為特会は必要ない。現在ある外貨準備は、放っておけば、保有する米国債の約7割が5年以内に償還期を迎える。償還ごとに徐々に円に交換していけば外貨準備は最後にはゼロになる。それで構わないだろう。

外国為替市場(FX)は、NY時間後半に各通貨が急速にリバウンドした動きの反動で早朝にはユーロ円などが反落して取引を開始しているものの、米株の切り替えしがアジア株式市場に波及すると、再びリスク回避の巻き戻しの動きが活発化すると考えられる。昨晩の大きな混乱の要因となったベルギー金融機関のデクシアに対する支援が迅速に発表されており、更には英FT紙で欧州金融機関への資本注入がEUによってなされているとの観測報道もあり、金融市場混乱への懸念が薄らぎ始めていると考えられるからだ。